Tokyo

小清水漸  雪のひま

2010/1/23–2/20

「雪のひま」茶会 
2010年1月23日(土) 15:00-17:00

オープニングパーティー 
2010年1月23日(土) 17:00-19:00

この度、東京画廊 + BTAPは久しぶりに小清水漸の個展を開催します。

小清水漸は本年をもって、長く在席した京都市立芸術大学を離れます。退官記念展が2010年1月21日から30日まで旧作を中心に開かれ、東京画廊 + BTAP展では作業台シリーズの新作を展示します。

作業台シリーズは1983年の東京画廊第2回展に発表され、もの派の頃の作品から彫刻としての作品へ展開する重要な表現となりました。もの派の頃は、ものを素材として対称化する西洋的表現に疑問を抱き、身体の作業を通してものとの新しい関係を創る表現を模索していました。戦後の現代美術シーンでは、作品を構成する3つの要素である素材・技術・コンセプトからコンセプトに重きを置く新しい表現方法の美術が出現しました。それがコンセプチュアルアートです。観る人々にイメージの言語化を求めるのがコンセプチュアルアートであるならば、ものとの新しい関係をコンセプトとする小清水は、作品制作における言語の役割を考えなければいけません。

小清水はこの答えの1つとして作業台を制作しました。作業台シリーズは作業という身体の所作をイメージさせることで、イメージの言語化を成功させました。発表以来、この作業台シリーズは様々な変容を遂げ小清水作品の中心的表現となっています。この度の - 雪のひま - というタイトルのもと、どのような新作が展示されるのか期待しています。

皆様には新年早々お出掛けいただきご高覧下されば幸いです。


展覧会カタログ掲載評論:
稲賀繁美『作業台に座る石たちは、なにを語るか。』

小清水漸

小清水漸は1944年愛媛県宇和島生まれ。1966年から1971年まで多摩美術大学彫刻科在籍。現在は京都と大阪を拠点に活動しています。1960年代後半から木、石、紙、土、鉄などを用い、素材間のかかわりを重視した作品を制作してきました。1970年前後の美術運動「もの派」の中心的アーティストであり、ベネチアやサンパウロのビエンナーレ展をはじめ国内外の展覧会で活躍しています。主な個展に「小清水漸展 彫刻・現代・風土」(岐阜県美術館、愛媛県立美術館、1992年)、小清水漸教授退任記念展「重力/質量/作業」(京都市立芸術大学芸大ギャラリー・大学会館ホール、2010年)など。

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