Tokyo

王玉平

2024/5/25–6/29

東京画廊+BTAPは5月25日(土)より、中国人アーティスト、王玉平個展を開催いたします。本展では、王の代表作である水彩の連作〈臨元人狩猟図〉と、近年の油彩作品などを展示いたします。

王玉平は1962年中国北京に生まれ、1989年に北京中央美術学院油絵学科を卒業しました。80年代以降の改革開放に伴い、中国には海外の現代美術が国内に入ってきました。中央美術学院の学生たちは西洋思想に大きな衝撃を受け、特にドイツ表現主義の潮流に影響されます。その結果、90年代から「新表現」と呼ぶ新しい芸術風潮が生まれました。王玉平はこの時代に誕生した代表的なアーティストの一人です。1987年、第一回「中国油絵展」(中国美術館)に出品し、1993年には同美術館で個展を開催、その後も高い関心を集めました。1997年のベニスビエンナーレ、2000年の上海ビエンナーレなど活躍の場を国内外に広げ、現在は北京と京都を拠点に制作活動をしています。

中国の開放と急成長を体験した一方で、王は同世代のアーティストと異なり、穏やかな精神世界に憧れました。長年写生を続けてきた彼は、特定のテーマを拒否し、北京の町の風景や生活道具、旅の思い出など日常をモチーフにします。王は目の前のことを模倣するのではなく、繊細な観察と想像力を駆使して絵を構築します。例えば、王が元代の〈狩猟図〉(瀋陽美術館蔵)を水彩で臨摸した際にも、原画の背景はほぼ 描かず、人物と動物たちの姿態に専念し、淡い色彩と輪郭を感じさせない特有の筆運びで描きました。臨 摸とはいえ、独自の解釈と創作で自由とユーモアの物語を創り出しています。

また2007年の作品〈老道〉は、王が中国甘粛省の玉泉観で出会った道袍を身につけた道士たちの肖像です。個性的で大胆な色彩によって抽象画のような印象を与えるこの作品においても、巧みな筆技がそれぞれの道士の特徴を捉えており、繊細さと豊かな感情が溢れています。

王玉平の絵画の魅力は、生活や経験に特有の表現を与え、日常から感動を引き出すところにあります。

本展は王玉平の日本での初個展であり、自画像の新作も展示する予定です。また、初日5月25日(土)16時から、来日中のアーティストを囲んでのオープニング・レセプションを開催致します。皆様のご来場を心 よりお待ち申し上げます。

WORKS

Title
老道3
Year
2007
Material
Oil pastel, acrylic on canvas
Size
150 x 120 cm
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Title
臨元人狩猟図
Year
2015
Material
Water color on paper
Size
31 x 41 cm / 16 pieces set
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