Lee Kang-So 李康昭

李康昭(Lee KangSo)は1943年、韓国・大邱で生まれました。1965年にソウル大学絵画科を卒業し、現在は京畿道安城を拠点に制作しています。1950年代の韓国では、戦後第一世代を中心にアンフォルメル運動が隆盛していました。その後続世代にあたる李は、1969年、ソウル中心の権威的画壇から離れ、圧政下の困難な状況で前衛グループ「新体制」を結成します。1974年には故郷の大邱で「大邱現代美術祭」を開催し、地方における実験美術の活性化に貢献しました。現在、「大邱現代美術祭」は若手作家が前衛的な作品を生み出す場として高く評価されています。パフォーマンスやインスタレーションなど前衛的な実験美術に集中した李の代表作は、1973年に明洞画廊で発表された《消滅;画廊の中のバー》です。古い居酒屋の家具を配置し、酒やつまみを提供するこのパフォーマンスにおいて、李は瞬間の生成と消滅を観客と共有することを試みました。

その後、絵画に関する研究を開始した李は、パフォーマンスのプロセスを伝統絵画の平面に実現することを目指します。キャンバスの糸を引き出したり、シルクスクリーン印刷を施したキャンバスを用いるなど、1970年代の媒体に関する実験を経て、80年代に入ると、美術教育で身につけた習慣的な筆使いから離れた新しい表現を模索しました。

1980年代後半から、李の関心は清らかで生き生きとした自然へと向かいます。1990年以降の作品には鴨や浮舟、鹿などの特徴的なモチーフが現れますが、李はそれらを対象として描写するのではなく、「筆画」と「気運」に従った表現へと昇華します。描写しようとする欲望を捨て、清澄な精神と柔軟な身体を用いて、淀みない筆遣いから生まれる世界には、韓国の「風流」思想が反映しています。李が目指すのは、西洋的な世界観を離れ、真実の直観と安息を観客と共有することであり、その作品は単に思想を伝達する手段ではなく、参加と対話のエネルギーが相互に作用する構造体となるのです。

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WORKS

Title
From An Island-02308
Year
2002
Material
Oil on canvas
Size
125 x 125 cm
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EXHIBITIONS

Tokyo

李康昭

2024/2/24–4/6

Tokyo

李康昭

2000/1/7–2/5

Tokyo

李康昭

1990/10/22–11/2

Tokyo

ヒューマン・ドキュメンツ'84/'85-1

1984/1/9–1/21

NEWS

Art Basel Hong Kong

会期:2024年3月26日 (火)- 3月30日(土)
会場:Convention & Exhibition Centre、香港
ブース:3E01
アーティスト:斎藤義重、桂ゆき、石元泰博、関根美夫、白髪一雄、篠原有司男、李禹煥、菅木志雄、成田克彦、朴栖甫、李康昭、金根泰、李鎮雨

Art Fair Tokyo 2024

会期:2024年3月8日(金) – 3月10日(日)
会場:東京国際フォーラム ホールE/ロビーギャラリー
ブース:S010
アーティスト:関根美夫、李康昭、松浦博之、瀧本光國、Ayako Someya、シャプール・プーヤン

Frieze Seoul | Frieze Masters

会期:2023年 9月6日 (水) – 9月9日 (土) 
 

会場:COEX(韓国
・ソウル)
ブース:
M16
アーティスト:白髪一雄、菅木志雄、菅井汲、瀧本光國、元永定正、豊福知徳、関根美夫、朴栖甫、李禹煥、李康昭、李鎮雨

Art Basel

Art Basel

会期:2022年 6月15日 (木) – 6月18日 (日) 

会場:Messe Basel、スイス

ブース:
E07
アーティスト:榎倉康二、桂ゆき、堀内正和、石元泰博、村上善男、関根美夫、菅木志雄、吉原治良、朴栖甫、李東熀 、李康昭、李鎮雨

Frieze Seoul | Frieze Masters

会期:2022年 9月2日 (金) – 9月5日 (月) 

会場:COEX(韓国
・ソウル)
ブース:
M14