Tokyo

李鎮雨

2025/11/22–12/27

この度、東京画廊+BTAPは、パリを拠点に活動する李鎮雨(Lee JinWoo)の個展を開催いたします。本展は、2019年に当ギャラリーで開催された個展以来、4年ぶり3度目の開催となります。

李鎮雨は1959年ソウル生まれ。1983年に韓国の世宗大学を卒業後、1986年に渡仏し、パリ第8大学造形美術学およびパリ国立高等美術学校(材料学研究)を修了しました。

パリでの生活を始めた当初、李は困難な日々を送っていました。ある日、アトリエの片隅で芽を出した一粒の豆を見つけ、水とわずかな光のみで育つその生命力に感銘を受けます。この体験が、「水」を単なる素材ではなく、生命と記憶の循環を生み出す根源として捉えることへと発展しました。

李はこれまで、麻布に炭を載せ、幾層にも重ねた韓紙を鉄製のブラシで叩く独自の技法により、《泉》や《島》シリーズを制作してきました。この反復行為が生み出す独特の質感と、モノクロームの静謐な世界は高い評価を得ています。「水」をモチーフとする本展の新作シリーズでは、鉄ブラシに代わり、細い竹の棒を用いています。これにより、鉄ブラシの摩擦が生む力強い表現が一転し、より柔らかく繊細なリズムが画面に現れます。これは、作家が長年追求してきた「物質と精神の融合」という主題を、より身体的かつ直感的な次元へと深化させたものと言えるでしょう。

李は、アジア・ソサエティ・フランス(2022年)での個展をはじめ、上海の龍美術館(2022年)や韓国の大邱美術館(2022年)など、国際的に活躍しています。2024年には上海のパワーロン美術館にて大規模な個展を開催致しました。その活動はますます注目を集めています。主な作品は、大邱美術館、ボグホシアン財団(ブリュッセル)、龍美術館、セルヌスキ美術館(パリ)などに収蔵されています。

本展では、400号の大作を含む新作約10点を展示いたします。李鎮雨の最新作をご高覧ください。

※掲載の画像は参考用です。

李鎮雨

李鎮雨(Lee JinWoo)は1959年、韓国、ソウル生まれ。1983年に韓国の世宗大学を卒業後、1986年に渡仏し、パリ第8大学造形美術学を卒業、パリ国立高等美術大学を卒業。現在はパリを拠点に活動しています。李はパリ留学中、李はイタリアのストロンボーリ島で火山の噴火を偶然目撃し、衝撃を受けます。火山灰を持ち帰った李は、それを自身の作品モチーフとしました。
李は炭を撒いた上に韓紙を乗せ、鉄のブラシで叩くという作業を何層にもわたって繰り返すことで、特有の質感をもったモノクロームの画面を作り出します。作家はこの作業について、自身に内在する「何か」を、「頭」または「脳」の介在なしに表出するための手段だと語っています。概念や思考の干渉を防ぐために必要なのが、強い労働の繰り返しなのです。
李の作品は、国際的再評価の機運がある韓国の単色画(Dansaekhwa)の「行為の反復」「修行」「精神性」という要素にも一致します。

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