展覧会(北京)

王舒野 時空裸視の絵画  -非弁别性の心と眼の実験-
2014.9.6.(Sat) - 10.5 (Sun)

この度、東京画廊+BTAP(北京)では王舒野(ワン・シュウイエ)個展『時空裸視絵画 -非弁别性の心と眼の実験-』を開催いたします。作家にとって北京では25年ぶりの個展となる本展では、2000年代から今日までにいたる王舒野の油彩と水墨作品を発表いたします。

王舒野は1963年中国黒龍江省生まれ。1989年に北京の中央工芸美術学院(現・清華大学美術学院)を卒業し、同年に制作した卒業作品で中国政府経済産業省の「金龍騰飛賞」最高賞を受賞しました。その後、1990年に来日するも、2001年の個展開催に至るまでの10年間作品発表を行わず、芸術の精神的探求に日々没頭します。2001年の鎌倉での個展開催を皮切りに、主に東京と鎌倉で作品を発表し、2009年には池田20世紀美術館で回顧展『肯定の目光に・王舒野の世界展』を行います。昨年、東京画廊+BTAP(北京)で開催された『新・朦朧主義』展では展覧会カタログに寄稿するなど、展覧会の主題を現代視覚文化の諸問題に結びつけることで、理論的に展覧会の成功を支えました。現在も鎌倉を拠点に、強靭な探求心に導かれた作品制作を続けています。

無数の筆触がキャンバスを覆う王の作品は、ストロークの集積によって深遠で静謐な景観を現出させます。その視覚空間は認識の対象として捉えられる以前の世界そのものであり、大画面を前にした鑑賞者は、現在の時の拘束を離れ、認識に先立つ時空世界を発見するのです。主に墨や鉛筆を用いていた王は、2007年に素材を油彩へと移行させ、自身の創造世界に新たな展望を示しました。作家の視覚は輪郭線に従うことを止め、物質固有の絶対性、無限性とその深遠さを表現しています。

視覚形式が多様化する現代において、王は現象学的還元の思想と東洋の無分別の智慧に学び、認識的・意味的な世界観から脱出することを試みます。時折大画面で展開される王の作品は、「万里の長城」や「モナ・リザ」など有りがちなモチーフを描くにも関わらず、それら視覚イメージを対象化することを不可能にし、現前する平面世界を詩性・精神性を帯びた超越的な視覚空間にまで昇華させるのです。

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